えっ!過去にはそんなことが!?これまでの軌跡を聞いちゃいました!

  • カワキタエクスプレスの川北社長は、会社の成り立ちや運送業界の課題、経営上の困難を振り返りながら、今後の展望について語っています。特に重視しているのは、若い世代の育成とプロ意識の向上です。未経験者を積極的に採用し、ドライバーのイメージを改善することで、業界全体の価値向上を目指しています。また、動画を活用した採用活動や、挨拶・安全運転の徹底を通じて、社員が誇りを持てる職場環境の整備にも注力していると語っていただきました。

カワキタエクスプレスはどんな会社?

川北:皆さんこんにちは、株式会社カワキタエクスプレスの川北です。今日はカワキタエクスプレスについていろいろと話したいなと思いますので、よろしくお願いします。1人ではなかなか話せないので、インタビューをしていただきます。本日はよろしくお願いいたします

インタビュアー:お願いします。早速ですが、カワキタエクスプレスはどのような会社か教えてください。

川北:どんな会社って、むちゃくちゃざっくりしてますよね。難しい質問ですけど、運送会社です。トラックは25台ぐらいあって、ウイング車という横が開くトラックもあります。一般貨物輸送と海外引っ越しをやっている会社です。

インタビュアー:海外引っ越しって何ですか?

川北:例えば、うちがよくやるのはトヨタ自動車さんとか本田技研さんのような企業の社員さんが、海外の工場に転勤される際に、お宅に伺って梱包して、港や空港まで荷物を運ぶ、という仕事ですね。

会社の歴史について

インタビュアー:ありがとうございます。お仕事の内容がわかりました。では次に、カワキタエクスプレスの歴史について教えてください。

川北:一番最初はですね、僕が高校を卒業してから、なんか商売をやりたいなと思っていたんです。でも、その頃って今みたいに動画の撮影とかYouTuberとかそういった職業もなくて、商売をやるっていうのはなかなか難しかったんですよね。それでサラリーマンをやっていました。サラリーマン時代に結婚して、子供が生まれて、その時に上司とうまくいかなくて「辞めたるわー」くらいの勢いで辞めました。それからいろんなアルバイトをして、その中の一つが宅配便の配達だったんです。それがきっかけで独立しました。最初の8年ぐらいは軽貨物の宅配便の配達をしていて、8年経ったころに海外引っ越しの仕事を少し始めました。最初は2トン車だけでやっていたんですけど、4トン車が必要になってきて、白ナンバーではまずいなってことで、緑ナンバーを取得しました。それが今から25年前です。

経営者を目指した理由とは!?

インタビュアー:社長が20代の若い頃から経営者になりたいと思っていたきっかけなどはありますか?

川北:僕、矢沢永吉さんが好きで、小学校からずっとファンでした。中学生ぐらいのときに「成りあがり」っていう本が出て、それが僕のバイブルになったんです。いつかトップに立ちたいな、って思うようになりました。僕ら世代の社長って、そういう影響を受けている人が多いと思うんですけど、どうですかね?

インタビュアー:とても納得です。社長にとって矢沢さんの存在は大きかったんですね。

カワキタエクスプレスの一番の強みは?

インタビュアー:では次に、カワキタエクスプレスの一番の強みを教えてください。

川北:一番の強みは、スタッフが若いということだと思います。社員の平均年齢が29.9歳で、10代や20代の社員が全体の70%を占めているんです。運送業界でもなかなかないですし、普通の中小企業でも珍しいと思いますね。

インタビュアー:若い世代のスタッフの募集は、社長自らされていると聞きましたが。

川北:僕、新しいものが好きなんで、ホームページも1999年ぐらいから独自ドメインを取って作っているんです。今ならtiktokで自分で踊ったりもしています。人手不足には苦労していて、辞めてしまうと補充しなければならない。うちのターゲット層が20代の未経験者なので、彼らに響く方法を色々試しました。求人の媒体を使ったり、紙ベースでの募集でもキャッチコピーや会社の魅力をどう伝えるかを工夫してきました。最近は動画にも力を入れてますね。

インタビュアー:動画を社長ご本人が制作して採用に活用されている会社は珍しいと思いますが、元々動画に興味があったんですか?

川北:元々はですね、ここに移転してきた15年前にプロモーションビデオを作って、それをYouTubeにアップすることがありました。それからたまに動画を撮ってアップしていたんですけど、本格的に興味を持ち出したのはコロナになってからです。暇だったこともあって、テレビを見てもコロナのニュースばかりで面白くないですよね。それでYouTubeを見始めて、YouTubeが面白いなと思うようになったんです。その後、求人関係の人と話していたら、「今、求人には動画が必要です」っていう話になって、撮りませんかと勧められました。で、「社長、それならtiktokもやるべきです」って言われて、最初は無理だなと思ったんですけど、頭に残っていて、半年くらい寝かせた後に自分でやってみました。

インタビュアー:社長といえば踊っているイメージですよね。では次の質問です。他の会社には絶対負けないという差別化ポイントを教えてください。

川北:そうですね、やっぱりうちの一番の差別化ポイントは、ドライバーのイメージを変えようとする取り組みですね。一般的にドライバーって、ワイルドでちょっと怖いイメージがあるじゃないですか。僕も最初は宅配業から始めたんですけど、正直言って、運送会社をやるつもりは全くなかったんです。ガラが悪いし、交通事故も起こすし、渋滞も巻き起こすし、職業的に地域社会でも低いイメージがあると。でも、ある時ふと思ったんです。もしもこの仕事がなくなったら、世の中って止まるよねって。社会も、生活も、経済も全部止まる。すごく大事な仕事だって気づいたんです。だったら、そういう会社が環境にも優しく、安全運転をして、「プロのドライバーってすごいね」って思ってもらえるようにしたら、そんな会社が日本中に増えたら、業界全体のイメージも変わるんじゃないかと思いました。

インタビュアー:とても良い考え方ですね。

川北:ただ、それを実現するのは、既存のドライバーさんだけでは難しいところもあります。運送業の仕事に対するイメージを変えたいんだけど、今働いている人たちも、どうしても昔のイメージのままでやっている部分があるので、そうじゃない人たちを育てることが必要だと感じています。ドライバーの仕事って、運転だけじゃなくて、荷物の積み込み作業や、積み下ろし作業、それにお客様とのコミュニケーションもすごく大事なんですよね。

インタビュアー:確かにそうですね。

川北:だから、うちでは出発前には日常点検をしっかりするとか、お酒が好きな人でも、深酒して翌日に影響が出ないように気をつけるとか、自己管理ができることが大事です。そういう基本的なことを徹底してやることで、お客さんからも非常に評判が良くて、きちんとした仕事ができるというのがうちの自慢ですね。

これまでに一番大変だったことは?

インタビュアー:ありがとうございます。これまで乗り越えてきた大きな課題、大変だったことがあれば教えてください。

川北:大変なことは山ほどありますけど、一番大きかったのは、ここを建てて15年経つんですけど、その時にすごい借金をしたことですね。売上がまだ2億円ぐらいの時に、2億1000万円の借金をしてこの社屋を建てたんです。借金を返さなければならないので、「売上を上げよう」「利益を出そう」ってなるじゃないですか。でも、僕は売上を上げるために何かを無理してやるんじゃなくて、売上が自然に上がる会社にしようと思ったんです。それにはドライバーの価値を変えないといけない。

インタビュアー:ドライバーの価値を変えるとは、具体的にどういうことでしょうか?

川北:例えば、挨拶をしっかりするとか、お客様とちゃんとコミュニケーションを取るとか、その当時はまだ草履を履いて仕事をしているようなドライバーもいたんですよね。でもそれは論外だなと。そこで、最初に決めたのが、名札をつけよう、携帯電話にはイヤホンマイクを使ってちゃんと話そう、靴を脱いだらちゃんと揃えようという3つのルールでした。すると、そのルールに納得できなかったナンバー2やナンバー3のベテランドライバーが、半年の間に6人辞めてしまいました。当時20人ぐらいの会社で8人が辞めたんですから、かなりのダメージでした。

インタビュアー:それは大変ですね。

川北:そうなんです。でも、それをきっかけに、自分が率先して会社を作り直していくという気持ちで取り組みました。今振り返っても、その時が一番大変だったですね。でも、経営者として何が一番大変かっていうと、やっぱりお金の問題が常につきまといます。それでも、人が育ってくれば少しずつ解決していくことでもありますし、今もまだ途中なんですけど、そこが一番大変だったかなと思います。

インタビュアー:ありがとうございます。今の会社は、人が作っている、そして人がどんどん育っていく環境がすごく見えてきましたね。

運送業界に興味がある若者へのメッセージ!

インタビュアー:そうしましたら、最後の質問なんですけれども、運送業界に興味のある10代20代の若い世代の方に向けて、カワキタエクスプレスではどういったことが学べるのか、やりがいや成長できる点について、ぜひ一言お願いします。

川北:そうですね、未経験の方には、トラックに乗るのが難しいって思われるかもしれませんが、うちは本当に未経験の方が多いので、運転は慣れれば誰でもできると思います。もちろん、若干のセンスは必要ですが、やる気さえあれば乗り越えられますよ。何が一番大事かっていうと、やっぱり社会人として自分がやりたいことをやる!

川北:トラックドライバーになりたいと思っても、「ガラが悪い」「怖そう」っていうイメージでためらっている人もいると思います。でも、うちの会社は一般的な会社と同じような仕組みで運営しています。

川北:それに、一応年間休日120日を目指しているんです。現時点ではまだ達成していないんですけど、人が増えれば実現できると思っています。車が好きな方には、ここで働くことに誇りを持てるような環境を提供したいと思っていますので、ぜひチャレンジしてみてください。よろしくお願いします。

インタビュアー:ありがとうございます。たくさん会社のことが知れて、とても良かったです。次回の動画でも色々と質問させていただきますので、またよろしくお願いします。

川北:はい、よろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。

インタビュアー:ありがとうございました。